国籍法と「偽装認知」関連報道の推移

日本国籍取得に「胎児認知」偽装か、アルゼンチン人ら逮捕へ 社会 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090508-OYT1T00027.htm

先日「胎児認知」が発覚して、再び国籍法改正案について話題になったので、報道量という観点で書いてみます。まず、本件事案のポイントは記事にかぎ括弧で括られている「胎児認知」という点であり、これは2008年の国籍法改正によって出来るようになった事ではなく、1985年の国籍法改正時から出来た事であり、この5年間で立件件数が5件と極めて限られたものです(「氷山の一角」ではなく、純粋に「偽装認知」自体が少ないといって良いと思います)。


「偽装認知」関連で話題になるのもこれで3回目なので、報道量と関心の推移を見てみます。
まずは、昨年の改正までの報道量。「全く報道されていない・隠されていた」というのは間違いで、重要法案としては扱われませんでしたが、普通の法案よりは報道されています。mixi日記で取り上げた数は、正確な数は数えていませんが、国籍法改正反対コミュ二ティ(http://mixi.jp/view_community.pl?id=3816028)の参加者数が短期間で5,000人を超えた事から分かる通り、かなりの数がありました。

改正国籍法関連の新聞報道
http://www7.atwiki.jp/epolitics/pages/17.html
朝日新聞は11月4日の閣議決定と採決の他計8回報道しています。
読売新聞は8月17日から順を追って国籍法改正問題を11回報道しています。
毎日新聞閣議決定とその後、15回報道しています。
産経新聞違憲判決の時と閣議決定の時しか報道していませんが、ネット上で偽装認知問題と絡めて騒がれだしてから18回記事を掲載して社説も出しています。
日経新聞も7月20日から8度に渡って報道しています。
公明新聞違憲判決後、6月6日から11回に渡って取り上げています。

次に、今年の2月13日の中国人夫婦による「偽装認知」発覚後の状況。日経以外の五大紙が報道していますが、胎児認知なのに改正国籍法を連想させるような記述があるなど、知識に混乱がある報道も多く見られました。その事も影響して、mixi日記で取り上げた数に関しては、正確な数は忘れましたが、数百くらいあり、かなりの数が「偽装認知」というキーワードに反応して、「胎児認知」という箇所は忘れられていました。

2月13日に発覚した「偽装認知」関連報道
朝日新聞
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.asahi.com/national/update/1026/TKY200810260169.html
読売新聞
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090213-OYT1T00468.htm
毎日新聞
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://mainichi.jp/kansai/news/20090213k0000e040072000c.html
産経新聞
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090213/crm0902131246013-n1.htm
ニュース超速報
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://turenet.blog91.fc2.com/blog-entry-3242.html

最後に、先日(5月9日)の偽装認知発覚後の状況。報道は読売・産経・共同通信と減って、(前回での「生後認知」と「胎児認知」の混乱の経験からか)タイトルにわざわざ「胎児認知」とかぎ括弧付きで記したものです。この状況になると、mixi日記で取り上げた数に関しては、わずか8件と激減しています。

先日発覚した「偽装認知」関連報道
読売新聞
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090508-OYT1T00027.htm
産経新聞
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/kanagawa/090508/kng0905081333000-n1.htm
共同通信
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009050801000347.html
mixiニュース
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=829733&media_id=20

という事で、時間の経過と共に純粋に関心が薄れていくという要素も大きいとは思いますが、これまでの経験を参考にして、間違いそうなポイントを正確に抑えた報道がされるようになれば、色々な所が改善されていくのではないかと思いました。